「御用だ! 御用だ!」の税務調査。
追徴税額について
「より高く」(より高額となる増差所得)
「より早く」 (少ない調査日数で)
まるで、オリンピックのような調査成績の競争。
加えて、重加算税(悪質)においては
単なる計算誤りや失念による計上漏れを
あたかも悪意があったかのように称し
「偽り、不正の行為・隠ペイ、仮装」 の世界へと追い込む。
そこには、事実認定は省略され、納税者には謝罪文(自白文)を書かせ、その処分は、遠慮なく極刑である。

これは、関東信越税理士会の機関紙に投稿したK税理士の掲載文である。
K氏は、関東信越国税局では名の知れた調査官であり、その右に出るものはいないといわれた人である。
K氏は、税務署長を最後に退官。攻守変わって税理士を開業し3年目の感想である。
K氏とはお付合いもあり、この掲載文の後飲みあかしたが、「税務署は世間とはかけ離れた常識の世界である。」
「俺も税務署を辞めて気がついた。」とのお話であった。

税務行政は、適正で公正なものを要求される。税務調査は、法律に準拠し執行されることを要求される。

今年の3月、「確定申告をお願いしたい」と来所された方のうち2社が、「昨年、税務調査を受けた」「加算税と延滞税を含め何百万円取られた」と言うことであった。
「何が、どうして、そんな税金になったのか?」と尋ねても、「少しは間違いはあったが、脱税しているような事はしていない!」「ただ、税務署が強圧的で、私の話など聞いてくれませんよ!」「怖くもなって、言うとおりにすれば終りにしてくれるからと言うので承知しました。」との事であった。
修正申告ということで「更正の請求」という救済手段の期限を過ぎていた。「あきらめますよ。」という事である。

何か似ていませんか?「足利事件」。菅家さんは虚偽の自白を強要され、矛盾や証拠の再鑑定も却下され、死刑の判決。再審まで17年。
死刑になるかもしれない刑事事件でも検察のシナリオ通りに事件が組み立てられ、自白が強要され、証拠も調べてもらえず有罪となる我が国。
税務調査はお金で済むかもしれないが?しかし、税務調査官のシナリオがまかり通る世界でよいのだろうか?