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 12月23日に終わったフィギュアスケート全日本選手権をテレビ観戦した。
 男子は、高校生18歳の羽生結弦(東北高)が接戦の末、高橋大輔(関大大学院)を破った。3位には無良崇人(中京大)が入り、3人が世界選手権の代表となった。
 高橋はすでに貫禄を感じさせているが、羽生の成長ぶりには目を見張らせるものがある。
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 無良もフランスでのグランプリ大会で優勝しており、若手が台頭している印象を強くする。
 最初にスケートをやった時は、足をバタバタさせる漫画そのものの世界。そのあと何回か挑戦して、なんとか滑っていく状態になった。回転とかジャンプなどは別次元の世界である。それを演技をしながら4回転ジャンプを難なくこなすのだから、恐れ入る。

 女子は浅田真央(中京大)が2連覇だという。優勝が決まると「よかった、よかった」と思わずテレビに言葉をかけていた。不調な時期が痛々しかっただけに、笑顔がとてもまぶしい。
 2位は村上佳菜子(中京大中京高)、3位は14歳の宮原知子(関大中)である。宮原は年齢制限で世界選手権の代表になれず、4位の鈴木明子(邦和スポーツランド)が代表となった。
 それにしても、名前を初めて聞くジュニアの選手が次々とリンクで舞を披露する。演技している姿を見て、感動とまではいかないが、心に温かいものが込み上げてきた。
 また、コーチによって大きくステップアップすることにも感心した。

 大震災以降、前年も明るい話題は乏しく、それどころか先行きの不安を増大させている世情である。
 その最大要因は、日常的なあり方としての社会生活や経済活動で、若者をしいたげ、覇気を奪っている社会を形成してきたことにある。
 脱原発や格差社会NOの部分的な動きはあるが、日常の日本社会に若者の溌剌とした生活ぶりが見えない。それは、自助努力と結果責任を押し付ける政権が、長年にわたって仕組んできて作り上げた日本社会の到達点に原因があると言わざるを得ない。
 国民もそれを感じて、民主党に託したと思う。ところが完全腰砕けとなり、消極的選択として自公政権に回帰した。誤った政策をとり続けてきた政権に戻して、打開できるはずもない。若者が台頭して溌剌さを取り戻す社会はまだ先になるであろう。

 だからといって、嘆いていたり、手をこまねいていてはならない。身近なところで、若者が台頭する場や環境を大人が提供することはできる。社会生活と経済活動の中で、若者主役の運営を行い、それを確実に広げていこう。きっと日本はよくなる。

 昨年暮にフィギアスケートをみて、大人がなすべきことを考えさせられた。コーチが果たす役割は大きい。