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  消費税増税と二重負担

 「春の怪」 業界団体中心に主要企業が一斉に飲食料品を値上げした。 この一斉値上げの音頭をとっているのが安倍政権である 
 安倍首相は3月20日参院総務委員会で、「駆け込み需要を防ぐため」に増税前に商品の価格を引き上げておくという欧州企業「工夫」を称賛し、「わが国でもそうゆう工夫をとっている」と答弁、消費税10%への増税前の商品値上げを推奨していることを国会で認めた。

 消費税増税前の駆け込み需要は、消費者の生活防衛手段だ。 それを逆手にとって生活防衛手段が行われる前に値上げさせ、それを「工夫」と推奨する。
 消費者の駆け込み需要も生活防衛手段の「工夫」である。
 消費者の「工夫」を悪ととらえ、企業の「工夫」善ととらえ称賛する。

 しかし不思議である。 値上げされる飲食料品は、消費税増税されても8%に据え置かれる可能性が高いものばかりだ。 それも、値上げ幅は2~20%に及ぶ。 まさに政府主導による“便乗値上げ”である。

 消費者にとっては、いま値上げしなくてもよい飲食料品(消費税8%据え置き)の大幅値上げと、それ以外の商品(消費税10%へ増税)の二重の負担増が強いられてくる。

 安倍首相の国民を蔑ろにする証左だ。
 物価上昇を看板とするアベノミクスが最悪の形で営業と暮らしを壊そうとしている。

 便乗値上げを推奨する昨年11月28日、内閣官房、公正取引委員会、消費者庁、財務省、経済産業省、中小企業庁連名の文書標題
 「消費税率の引き上げに伴う価格設定について(ガイドライン)」
 主な内容
 「消費税率引き上げ前に需要に応じて値上げを行うなど経営判断に基づく自由な価格設定を行うことを何ら妨げるものではありません」
 国民生活を守る消費者庁は出てこない。

 まさに、便乗値上げ推奨の「官邸文書」である。

 安倍首相は、国民の陰で、何をたくらんでいるか分からない人物である。

  庶民の生活 分からない  安倍さん庶民ではない!

 消費税10%への増税に伴い、ポイント還元だ。 商品券だ。 キャッシュレスだ。 とアピールし、商店街を警備つきで練り歩く安倍首相だが、 すぐ脇では消費税廃止の宣伝・署名が行われ、「安倍帰れ」のシュプレヒコールがあがっていた。 
 買い物客からは「安倍首相は庶民の暮らし、わかっていない」と怒りの声が上がっていた。

  「リーマン』並みの倒産  小規模企業の倒産(2018年)

 民間信用調査会社、東京商工リサーチの公表によれば、2018年負債1,000万円未満の小規模な企業倒産は521件とリーマンショック直後の500件台に増えていることがわかった。3年連続で前年を上回った。
 うち、負債500万円未満が204件と全体の4割を占め、500万円以上600万円未満が116件と小規模な負債での倒産が浮き出ている。
 売上高の規模別でも1,000万円未満が412件と8割を占めていた。(消費税免税業者だ)
 産業別では飲食業を含むサービス業などが241件と半数近くを占め、次いで小売業79件、建設業66件と続いている。
 倒産の形態別では破産が500件と大半を占めている。

 また、全ての倒産・休業・廃業・解散は55,480件で、身近な隣の会社、お店が倒産・休業・廃業・解散に追い込まれている。
 競争力の劣勢が倒産・休業・廃業・解散に追い込まれていると指摘されているが、日本の商業力、産業力はこうした小規模企業が戦後を支えてきた原動力であった。今や、戦後の復興を支えた小規模、零細企業は脱落・消滅しようとしている。

  佐 倉 義 民 伝 【さくらぎみんでん】

 前進座五月講演 2019、5月11日~22日 〈国立劇場〉

   宋五郎の望みが叶うたならば
     三百八十九ヶ村の村の衆の
      その喜びはどれほどか―――――
   それを思えば宋五郎の命の一つや二つ
     決して惜しいとは思いませぬ

 こんな総理大臣  望む由もないか?