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 景気回復・経済成長 内外に失速感 ?

 日本銀行は7月15日の金融政策決定会合で、景気は緩やかに回復していくとし、2010年度の経済成長率の見通しを上方修正した。
 しかし、前日の14日発表したFRB(米連邦準備制度理事会)の米連邦準公開市場委員会では、「経済見通しがかなり悪化する場合には、さらなる景気刺激策が適切かどうか、検討が必要になる。」と発表した。
 また、ヨーロッパでは以前金融不安がくすぶりつづけ、中国でも景気をうまくコントロールできるかどうか不確定である。
 日本の景気の先行きについて、「上振れリスクも下触れリスクも高まっている。」と日銀の白川総裁が記者会見で語っているように、景気回復には内外ともに失速リスクを感じている。

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 大企業や輸出企業をめぐる景気は4月時点の想定よりも良い。これは、東南アジアを中心とする「新興国の一段の高成長」のおかげであり、この勢いはいつまで続くか懸念材料である。
 中国経済の持続的成長もいつバブルが生じたり破裂するかのおそれは高く、アメリカの景気回復の弱さも懸念材料である。
 国内状況をみても、景気は外需主導で若干持ち直してはいるが、中小企業の景気は低迷しており、企業の設備投資も依然弱い。
 雇用や所得環境の面でも、企業が積極的には動けない状況のため、内需の柱となる個人所得は改善されず、個人消費は拡大されていない。
 景気回復の芽は膨らまず、直面するリスクは膨らんでいるというのが日本経済の現状である。
 この経済状況から抜け切れられるかどうか、アメリカ・中国といった海外の動きに左右されるが、中小企業や雇用、所得環境の面をより積極的に改善させる政策が必要ではないか。そして、国内個人消費を拡大させる政策がより欲しいものである。
 参議院選挙は終わった。「政治は何が起きてもおかしくない」「政治は一寸先は闇だ」などとマスコミも各政党も政争に明け暮れているが、国民生活改善の政策論議、国内経済回復の為の予算編成を強く望むところである。