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  大企業への活動支援と富国強兵

 安倍政権は「経済優先」を掲げている。一方、靖国神社参拝をはじめ特定秘密保護法制定、集団的自衛権、憲法改悪など富国強兵策を強行しようとしている。
 経済政策の俗称である「アベノミクス」は2年目に入った。政策の中身は“世界で一番大企業が活動しやすい国づくり”“世界で一番国民の痛みが激しい国づくり”である。
 この経済政策を実行すればするほど“貧困”と“格差”は拡大し、つつましく暮らす国民の生命と生活は疲弊する。
  喜んでいるのは、ここの会員だけ…
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 大企業は派遣社員・契約社員で徹底して労働者を低賃金で使い捨てし、百貨店や元請企業はその責任を放棄して低コストで下請事業者へ丸投げする。その結果が食材偽装事件であり、偽ブランド商品事件、農薬混入事件である。
 中国で起きた餃子毒物混入事件の背景と似た社会現象までモラルが劣化してきた。
 日本人の特性は“助け合い”“おもてなし”“弱者にやさしい社会”ではなかったのか ?
 安倍政権の素顔に嗅ぎ取る『危険』の臭いは、消し去ることができない。

    バラマキ大型公共事業と異次元の金融緩和
     ツケは社会保障の切り捨てと消費税増税

 昨年12月24日、2014年度政府予算案が閣議決定された。翌日、各紙は「家計 増す負担 優遇策は企業偏重」 「負担増 安心見えず 社会保障、遠い充実」 「暮らしより安保 増税の痛み顧みず」 とアベノミクスの国民犠牲の実態を報じている。
 政府の支援策の下で大企業は史上最大の儲けと膨らんできている。しかし、賃金の減少傾向はいぜん続いている。 ・・・ 儲けを賃金引き上げ<基本給のベースアップ>に、と考えている企業はNHKの調査でも9%にすぎない。
 円安の加速により輸出企業は大幅利益になる一方、輸入物価は上昇。消費者物価は7ヶ月連続で上昇している。貿易収支も史上最高の赤字である。
 さらに4月からは消費税増税が襲いかかり、低所得者への影響は深刻となる。

    霊感商法に期待する心理 ?

 長引くデフレ経済の中で閉塞感が広がり、デフレ脱却を標榜するアベノミクスに期待を寄せた。
“騙されているのかな ?”“危険な道かな ?”と思いながらも、霊感商法に期待する心理のように ・・・

    原発再稼働狙う !

 エネルギー政策も成長戦略の重要なテーマとなっている。“原発は重要な電源”と位置付け、「原発ゼロ」の声を無視し、再稼働を狙い、原発輸出すら経済成長戦略の中に入れている。
 靖国神社参拝、集団的自衛権、憲法改悪など安倍政権の右傾化には世界のメディアも相次いで警笛を鳴らしている。
 NHK会長が「政府が右といっていることを、左というわけにはいかない」「従軍慰安婦は世界どこでもあった」と記者会見で発言したことなど、安倍首相が自分の意を請けるお友達(人材)のみを取り巻きに配置し、右傾化を強引に進めている現象だ。
 日本を、日本人を、再び戦争へと突き進む道へ歩ませてはならない。危険を感じる。

   消費税負担増8兆円 社会保障給付減3兆円

 「社会保障制度改革プログラム法(案)」に盛り込まれた国民への負担増、給付減は3兆円を超える。消費税増税(8兆円)で社会保障に回ると宣伝する2.8兆円を上回る額だ。
 「社会保障制度改革プログラム法(案)」に盛り込まれた国民への負担増、給付減
  ○70~74歳の医療費患者負担 1割→2割
   4000億円(患者負担増1900億円、受診抑制2100億円)
  ○入院給食の原則自己負担化
   5000億円
  ○介護保険利用者負担増 1割→2割
   (一定所得者)750億円
  ○介護保険施設の食費・居住費補助の縮小
   700億円
  ○年金の「特例水準解消」
   1兆円
  ○年金の「マクロ経済スライド」
   1兆5000億円
  計 3兆5450億円
  * さらに、年金の支給開始年齢先送り、要支援者の介護サービス切捨て、特養ホームの入所制
   限などを計画。プログラム法案とは別に後期高齢者医療保険料や介護保険料値上げも予定。

    年金保険料・差押えを強化

 厚生労働省の年金保険料の徴収体制強化等に関する専門家委員会は、年金保険料の滞納者に対する差押えを強化することを盛り込んだ報告書をまとめた。
 過去2年分の保険料を滞納している人は約296万人。“低すぎる年金 と 高すぎる保険料”をそのままにして、強制徴収のみを強める内容だ。
 年金保険料はこれまで「自主納付」が原則(拠出年金制度)とされていたが、「義務納付」(税金)だと強調。保険料さえ払えない滞納者まで徴収を強化。滞納に拍車をかける方向だ。
 徴収体制も国税庁に滞納処分権を委任し、差押えなどを強力に推進するなど、強制徴収ありきの内容となっている。