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  年金生活者の生活直撃
  真綿で首を絞めるが如き・・・

 

 厚生労働省は2014年度の公的年金について今年度比で0.7%引き下げると発表した。「物価下落」を理由に(現実には生活物価は上昇している)昨年に続いて1%削減する。一方、名目賃金変動率が0.3%になったため「麦価スライド」改定率をマイナス0.7%とした。

 4月から消費税8%への増税をはじめ、医療・介護保険などの国民負担増の中で年金削減は国民生活に打撃を与える。

 月額支給額は、国民年金(老齢基礎年金)を満額受給している人で475円減の64,400円、厚生年金(老齢基礎年金を含む)が夫婦2人の標準世帯で1,666円減の226,925円となる。

 年金削減は、4月分が支払われる6月からである。

 

 一方、支払う国民年金の月額保険料は210円増の15,250円になる。

 

 アベノミクスは物価と賃金を引き上げるとしているが、物価は上がり、賃金は下がる。年金は削減され、保険料は増える。まさにアベコベミクスであり消費をいっそう冷え込ませ、景気回復に逆行するものである。

 

  介護保険料 5,000円突破 ・・・ 4月から値上げ

 

 

 40~64歳の人が支払う介護保険料が4月から307円引き上がり、月額5,273円となる見込み。介護保険制度が発足した2000年度(2,075円)の約2.5倍達し、5,000円を突破する。

 介護保険は利用者負担分を除いた介護費用の50%を保険料で賄う仕組み。うち29%分が40~64歳の保険料、21%分が65歳以上の人の保険料で賄う。国の負担を低く(2割台)押さえているため今後も保険料は上昇する。

 

  「要支援外し」、病床削減

 

 安倍内閣は、介護保険の大改悪や病床削減を盛り込んだ「医療・介護総合推進法案」を閣議決定した。

 介護保険では、「要支援者」への訪問・通所介護を介護保険サービスから外し、市町村による安上がり事業に移行。事業費に上限を設けるなど費用を徹底的に削減する法案だ。

 特別養護老人ホーム入所者を原則、要介護3以上に限定するなど、入所すらできない(家庭内介護を強要する)大改悪である。

 自己負担を1割から2割に引上げ(年金収入280万円以上)、施設入所者への居住費・食費補助の縮小も盛り込まれている。

 医療では、看護師配置が手厚い「急性期」病床を削減し、“患者追い出し”を進め、病床の必要量を定めた「地域医療ビジョン」に従わなければ補助金を交付しないなど安上がりの医療提供体制を強引に推進している。

 

 保険証(国保)取り上げ、144万世帯 ― 高すぎる保険料

 

 高すぎる国民健康保険料(税)を滞納し、保険証を取り上げられた世帯が2013年時点で144万6572世帯に上った。(厚生労働者発表)

 2012年度の保険料の収納率は89.86%だが、厚生労働省は自治体に対し収納対策の強化を一層求めており、滞納世帯の財産差し押さえ件数は同年度24万3540件に達している。

 医療費の自己負担は際限なく引き上げられ、高すぎる健康保険料に喘いでいる国民にとって生きていくことは大変な時代となった。

 本来、国民の生命は国家の最重要課題であり、医療費・教育費は無償であるべきだ。それが先進国家である。

 

 節約 ・ あの手 この手   消費税増税対策

 

 インターネット保険会社(ライフネット生命)が「2014年に見直したいもの」に関する調査結果を発表した。・・・消費税増税までに見直して節約する対象

 ・ 「外食・飲み会」   68.8%

 ・ 「旅行などの娯楽費」 47.0%

 ・ 「家庭の食費」    46.2%

 ・ 「水道光熱費」    35.8%であった。

 節約したい金額は1万0076円である。

 

 具体的に始めている見直しや節約としては

 ・ 「友人との付き合い(飲み会)を極力減らす。休日はなるべく家で過ごす」(40代男性)

 ・ 「食材は安い時に買って、日持ちする料理を作り、無駄にしない」(30代男性)

 ・ 「節電家電品への買い替え、水道光熱費のプランの見直し」(30代女性)

 ・ 「少しでも安く買い物をするため、遠くても安いスーパーに行く」(40代女性)

 ・ 「トイレに使う水を風呂の残り湯でカバーする」(50代女性)

 と節約に四苦八苦する姿がうかがえる。

 

 ・ 「以前から水道光熱費や食費には気を付けている。削りようがない」(40代女性)

 ・ 「あらゆる工夫で節約している。これ以上どうしようもない」(50代女性)

 など、消費税増税を前に苦しい生活にあえぐ悲痛な声となっている。

 

 ゆとりある生活を求めることは贅沢な時代となったのか ?

 団塊の世代である私にとって、淋しく 悲しい ・・・