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  「忖度」道路 ― 安倍(下関)・麻生(北九州)道路

 下関(安倍総理・地盤) ⇔ 北九州(麻生副総理・地盤)道路整備計画の調査を今年度から国直轄事業に格上げさせた決定について、自民党の塚田一郎国土交通副大臣が、「総理とか副総理が言えないので私が忖度した」と発言した。

 ・・・ 似ている。―“(やくざの)親分が自分では手を出さないことで暗に発言する。 子分に忖度させる。 子分は拳銃で抗争相手を打ち殺す。” 子分は「私がやったと警察に出頭する」 親分は「私は指示したことはない」言い逃れる。 ・・・ 

 安倍首相も「私が指示したということはない」と発言。 塚田国交副大臣は発言を撤回し辞任した。発言を撤回しても事実は否定できない。 辞任して説明責任を果たさない。 ・・・

 塚田副大臣の「忖度」発言は、安倍首相による発言(指示)が発端だったこと明らかだ。

 昨年10月25日、「下関北九州道路の整備促進を図る参議院議員の会」で吉田会長(自民党参院幹事長)、大塚幹事長(自民党副幹事長)と官邸で会談。 安倍首相は『早期建設に向けた活動をしっかりと取り組むように』と指示した。 吉田会長は安倍首相に近い“参議院のドン” 大塚幹事長は麻生副総理の側近“福岡県選出”だ。
 その直後から“下関北九州道路の早期実現が求められている” “今後は国が調査を引き継ぎ、事業化に向けた具体的検討を行うことが必要だ” “国による計画段階評価などの手続きに早期に移行すること” ・・・ とアッと言う間に事業化が進展した。

 「忖度」した結果。 今年3月19日、石井啓一国土交通大臣(公明)は、山口・福岡両県の首長と財界人でつくる下関北九州道路整備促進期成同盟会などから要望を受け「(国が)直轄調査を行う方向で検討したい」と応じ、結果、4,000万円の調査予算が計上された。
 総事業費は2,000億円から2,700億円が想定されている。 <この事業に群がるハイエナがいる。 そのハイエナから資金を上納させる政治家がいる ・・・ テレビドラマか?)

 県民投票で圧倒的多数の辺野古新基地建設の反対の意思表示を示した沖縄県民の意思は全く無視し、自らの側近と周囲の仲間を優遇する姿勢は、一国のトップとしてレッドカード(一発退場)である。
 モリ・カケと同じこの構図は、安倍総理大臣となってから延々と続いている。

 背景にあるものは、強大な権力をもった親分・安倍晋三総理(首相)の存在だ。
 安倍首相が自身の周囲を優遇する構図は、森友・加計疑惑と同じで『国家の私物化』 『利益の誘導』 『税金の詐取』である。
 その強大な権力をもった安倍首相が人事権を握っている官僚たちは、安倍首相の意を忖度しなければ官僚として生きていけない。 森友学園疑惑、加計学園疑惑 ・・・ 忖度なくして疑惑など生まれる余地はない。 忖度があったからこそ疑惑が生まれる。 疑惑が生まれること自体、政治の劣化である。 政権のオゴリの極みである。

 親分のことを思えば、子分は「忖度する」。 当然の理だ。
 忖度もいいが、私たちの血税に手を付けることはやめてほしい !

 「忖度」が疑われた最近の事例
・ 森友疑惑 〈学校法人と国有地取引で数々の異例な対応〉
・ 加計疑惑 〈獣医学部新設の決定手続きが歪められた〉
・ 統計疑惑 〈アベノミクス演出のため賃金の伸びを高く見せかけた〉
・ 道路疑惑 〈副大臣が道路事業の調査を国直轄に引き上げた〉
 「失言(本音)」が出て辞任した事例
・ 小渕優子経産相 〈政治団体をめぐる不透明な資金処理〉
・ 松島みどり法相 〈似顔絵入りの「うちわ」を選挙区内で配った問題〉
・ 西川公也農水相 〈補助金交付が決まった企業から寄付を受領〉
・ 甘利明経済再相 〈建設会社から現金授受〉
・ 務台俊介内閣府政務官 〈(台風被災地視察でおんぶされ)長靴業界は儲かったんじゃないか〉
・ 今村雅弘復興相 〈東日本大震災をめぐり「東北でよかった」発言〉
・ 稲田朋美防衛相 〈南スーダン国連維持活動(PKO)の日報隠ぺい問題〉
・ 松本文明内閣府副大臣 〈(沖縄で相次ぐ米軍機トラブルで)「それで何人死んだんだ」とヤジ〉
・ 桜田義孝五輪相 〈失言を繰り返し、復興以上に議員が大切発言〉
 そのほか
・ 石原伸晃環境相 〈(福島原発被災地交渉で〉「最後は金目でしょ」)
・ 麻生太郎財務相 〈「セクハラ罪って罪はない」〉
・ 片山さつき特命相 〈事務所に自身画の大看板、自己写真入りのカレンダー配布〉

 首相がかばい続け、辞任にまで至らなかった閣僚は数えきれないほどいる。
 官邸の意向を「忖度」して官僚辞職に至った例も数限りなくいる。
 『官邸病』(安倍首相)の病巣は底なし沼だ。
 任命責任者・安倍首相の責任は今までの首相以上に極めて重い内閣である。
 “政治の私物化”は先進国、民主国家では即『レッドカード』だ。
 政治に関し、日本は後進国だ。 そんな政治家を選ぶ<利権誘導選挙>国民にも責任がある。

 我々税理士は、天下・国家の税金を語れなくなる。
 納税者は真面目に税金を納めている。
 ことは私たちの「税金」の使われ方だ。

 借金だらけの国家予算(世界一)を組みながら、利益誘導型の税金の詐取。 軍事費の膨張。 公共事業無駄遣い。 一方、子育て・教育・福祉・医療は、予算が厳しいと切捨て、受益者負担増を矢継ぎ早に打ち出し、 挙句の果ては増税。増税だ。

 何か、逆さまな政治となっている。

   “令和” でも 「忖度」 ?   「万葉集っていいね」

 個人的には“令和”の元号には好感を持っている。
 しかし、“令和”の選定にも「忖度」があったと聞くと、不信を禁じ得ない。

 新元号選定過程で安倍首相は“「万葉集」っていいね”と周辺に語っていたという。
 “令和”の典拠となった「万葉集」も首相の移行に沿う選択だったという。
 安倍首相は改元準備状況の報告を受けたが、「元号案は直前まで見せなくていい」と指示。 そして4月1日の全閣僚会議で協議したが、菅官房長官が「それではこの辺で首相から」と協議を引取り首相が新元号を“令和”と決定したという。

 安倍首相への「忖度」? 安倍首相は元首的振る舞いである?