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    「森友」 「加計」問題 丁寧な説明責任 放棄

 安倍首相は9月28日召集の臨時国会冒頭に衆議院を解散した。戦後最悪の独善である。 政治的絶好のチャンスと見てか? 国民の想い、意は不在である。
 森友・加計学園問題への安倍首相の説明責任は依然不十分だ。お友達優遇の人事は相変わらず改善していない。憲法53条に基づく臨時国会召集を3ヶ月以上店ざらしにした挙句、仕事人内閣と名打った大臣は一度も国会で答弁していない。衆議院の任期はまだ1年以上残っている(4年任期の衆議院議員を我々は選出しているのだ)。
 究極の独善・疑惑隠し・口封じ・党利党略・権力の私物化解散である。

 もりそば・かけそばの
 食い逃げはさせません!

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 安倍首相は2ヶ月前、加計学園問題をめぐる衆参予算委員会で『国民から疑念の目を向けられるのはもっとも。その観点が欠けていた』『丁寧に説明を重ねる努力を続けたい』とおわびの言葉を重ねたが、その後は、妻昭恵氏と手をつないで外交(外遊)三昧。 ことあればトランプに迎合して北朝鮮の脅威を唱え続けて、疑念の解明努力は何もしていない。

 菅官房長官は22日、衆参両院の議院運営委員会理事会で「臨時国会の召集要求を受けており、国民生活にかかわる内外の重要課題に対応するためだ」と臨時国会召集の理由を述べたが、 なら 何故 なんの議論も封じて冒頭解散なのか ? ・・・

 二階自民党幹事長は、森友・加計問題、“小さな問題だ”と言い。 「選挙は勝たなければ何にもならない。ぜひ勝たせてください」 政治家=選挙 以外何もないかの発言だ。

 内閣府や財務省・文部省の官僚は、「記憶にない」「記録にない」「文書はない」「廃棄した」をくり返し、恥じるそぶりも見せない。

 日本の国や行政はこんないい加減な政治家、官僚によって担われているのか。・・・

 こんな選挙に700~800億円、そんな政党に320億円(毎年)国民の税金が勝手に使われている。
 そして、2019年10月、消費税10%への増税が選挙の争点にもなってくる。

   消費税増税分 ・ 80%が借金の穴埋め

 消費税増税分の使途見直しを安倍首相は急遽選挙の争点として浮上させた。
 税収増の大半を国の借金の穴埋めに使う計画を変え、選挙目当ての公約として教育の無償化など「人づくり革命」の財源とする構想だ。
 3~5歳児の保育料無償化には、年約7300億円の追加で済む。 0歳児まで広げても1.2兆円だ。
 大学など高等教育の全学生授業料無償化でも3.7兆円だ。

 消費税率8%~10%での増収分は5兆円と言われる。 内一部、1兆円を幼児教育の無償化や高等教育の負担減に充てるという方針だ。 残り4兆円は借金の穴埋めだ。 それでも借金は増え続けている。・・・

 消費税率5%から8%への増税が争点となった以前の衆議院選挙、「消費税増収分は全額社会保障の充実にまわる」 「消費税増税で社会保障が充実し安心した社会をつくる」 と公言した自民党・公明党。 ・・・ 国民は、「社会保障に還元してくれるのなら消費税増税もやむを得ない」と両党に政権を委ねた。 しかし、大半は借金の返済に回ってしまった。

 期待は裏切られた。 年金受給額は減額され、健康保険料・年金保険料は増額され、医療費自己負担額や後期高齢者医療保健負担などは毎年々々大幅に負担増となった。 挙句に、負担できない人に対する取立ては過酷となった。

 いまや消費税と社会保障が連動し、私たちの社会が公平・安心・充実するなどと幻想を抱く人はいないだろう。

 消費税増税は、借金の穴埋めを国民にツケ廻す何物でもないことを見抜くべきだ。

 “税金のあつめ方・税金のつかい方”の監視は、国民の義務である。

    教育の公的支出 ― 日本、最下位

 経済協力開発機構(OECD)は9月、2014年の加盟各国の国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出の割合を発表した。 日本は3.2%で、比較可能な34ヶ国中最低であった。
 国や自治体が負担する公的支出割合のOECD平均は4.4%。割合が最も高かったのはデンマークの6.1%、ノルウェーの6.1%、アイスランドの5.7%と続く。
 日本のGDPはアメリカ、中国に次いで世界第3位、4兆9386億ドル。 公的支出割合のOECD平均は4.4%に対し、日本は1.2%低い。金額にすると6兆5782億円も税金を出し渋っている。
 高等教育機関への公的支出の割合も、OECD平均(70%)の半分以下だ。
 公的支出の少なさは、保護者や学生の自己負担の異常な重さになっている。

 OECD加盟国の半数は学費無償だ。 有償の国でも低額。 日本は異常に自己負担高額な国だ。 貧困と格差、こどもの貧困が増大していつなか、金持しか教育を受けられない国になってしまった。

 “税のつかわれ方”として、教育の公的支出を国際水準まで引き上げ、保育、教育、研究条件を大きく改善しなければならない。 国民はそのことを期待して“税”を納めている。 税は、給付への期待納付である。

    威嚇の応酬  憲法9条改悪  戦争への道

 トランプ米大統領は国連総会の演説で「ならず者政権が存在している」「完全に破壊するほか選択肢はない」と威嚇し、アメリカンファースト(米国第一主義)を国際会議の場で吹聴した。
 安倍首相は同演説で「北朝鮮との対話は無駄骨」「必要なのは対話ではない。圧力だ」とアメリカに追随し、トランプ大統領と安倍首相の強硬ぶりのみが突出し、平和的な解決をめざすべき国連外交の場に異様な空気をもたらした。

 一方、韓国の文在寅大統領は同国連総会の一般討論で「分断された国の大統領として、平和こそが心からの叫びであり、歴史的義務だ」と平和的な解決へ強い決意を表明した。
 フランスのマクロン大統領も「売り言葉に買い言葉で圧力を増すのではなく、緊張を緩め、人々を守らまければならない」と語り。
 ドイツのメルケル首相も「このような脅かしには反対する」「どのような武力解決もまったく不適切だと判断するし、外交努力と制裁実現(国連安保理決議)が正しい答えだ」と強調した。

 国連安保理決議は制裁とあわせて「緊張を緩和する努力」「対話を通じて平和的で包括的な解決」を呼びかけている。

 国連のグテレス事務総長も「緊張が高まる時、判断ミスの危険性も高まる。激しい言葉のやり取りは致命的な誤解につながり得る」と警告した。

 核・ミサイル開発を急ぐ北朝鮮。 威嚇の連呼で解決できるほど朝鮮半島問題は単純ではない。危機を煽ることなく、事態を改善する外交力こそ問われている。

 外交努力を放棄した先は、戦争しかないことを歴史は語っている。

 緊張を煽り、国民を扇動し、衆院選挙を勝利しようとする安倍首相の戦略としたら危険極まりない。

 日本が、いつか経験した道につながる。