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   決算の留意点とチェックポイント

 12ヶ月間の試算表(集計表)
・ 各月の取引を事実に基づいて試算表(集計表)を完成する。
 ⅰ 事実とは・・・想定・思惑は排除する。 <ありのままに・・・  >
      Γ  証拠(領収書等)に基づいて記帳・集計する。
     | 領収書等なくても経費にでる。(領収書がない合理的根拠を!)
      L 領収書等あって経費としている分。(否認されない合理的理由と主張を!)
 ⅱ 現金出納帳△(マイナス)に注意・・・帳簿の正確性・信憑性が疑われます。

 12ヶ月間の試算表(集計表)の補正
・ 全ての勘定科目、全ての取引について悉皆・検討する。(上記視点に立って)
 ⅰ 貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書の事項・・売上総利益率前年等と対比して検討 (税務調査の選定基準)
 ⅱ 摘要欄のコメント・・・正確なコメント、統一的表現  ・・・消費税・一般課税の場合注意
    ・ 取引相手、取引内容、〇月分・・・等
    ・ 毎月入金、毎月支払(抜けている月等検証) ・・・ 等
 ⅲ 売上漏れの検証・・・現金領収、小切手、手形、振込に注意(税務調査の重点)
 ⅳ 事業主借入の根拠と主張・・・根拠、裏付けのできない事業主借入は売上計上漏れ認定 (税務調査のポイント)
 ⅴ 経費の事業必要性の検討・・・事業必要経費か家事関連.私的費用か注意 (税務調査のポイント)
        * 推認課税
 ⅵ 資産取得に注意・・・修繕費・消耗品費か資産(取得)か?(税務調査のポイント)

決算
・ 決算整理事項を抽出
 ⅰ 期末棚卸表の作成・・・在庫・棚卸管理<粉飾、操作決算多い> (税務調査の重点)
 ⅱ 売掛金・未収入金の検証・・・売上計上は発生主義(入金基準ではない)<期ずれ>
        * 売上計上漏れ (税務調査の重点)
 ⅲ 買掛金・未払金の検証・・・仕入・経費も発生主義(支払基準ではない)<期ずれ>
        * 期末棚卸に影響 (税務調査の重点)
 ⅳ 減価償却の計算の正確性・・・耐用年数と償却方法・取得価格計算 (法律改正注意)


   決算棚卸と決算書の作成

決算整理事項に基づき最終試算表の完成
 ・ 決算整理事項の計算加味
 ⅰ 消費税対応処理・・・一般課税(課税・非課税・不課税・対象外)
                簡易課税(業種判定)
 ⅱ 消費税税抜試算表<決算>へ

 ・ 決算整理事項の計算加味
    * 調査での最重点チェック項目
  決算棚卸 ――― 期間損益計算 or 費用収益対応の原則 
           *売掛金・未収金・前払費用  ・・漏れ、計算誤りないように
             買掛金・未払金・前受金     ・・取引の流れで捉える
           *領収書(控)あり.売上計上なし・・・(論外)
           *個人(役員)経費.家事関連費等の参入・・・(合理性と主張)
   消費税  ――― 外注費 or 労務費 注意  ・・・  請求書あれば外注費
            なければ、給与とされる恐れ
             *原則課税 ・・・ 課非判定に注意
                    * 帳簿(記載要件)and 請求書等の保存義務
             *簡易課税 ・・・ 業種判定に注意


期間損益計算  ・・・  期ズレの取引は、調査の最重点項目
      12/1・1/1   ・損益計算は当期期間のものに限定・      12/1・1/1
    前期  ・               当期                ・  翌期
     * 1年に限定し.26年に帰属(発生・確定)した益金・収入金額に限定する
     * 実際の金銭の動きとズレル(期ズレ)取引は除外する
        ・売掛金・未収入金  →  当期に計上する・
            (前期分の入金は当期より排除)
        ・買掛金・未払金   →  当期に計上する・
            (前期分の支払は当期より排除)
        ・期末棚卸商品・原材料→  当期より排除(支払済.未払関係なし)
            (期首棚卸商品・原材料は当期に組入)
        ・未成工事支出金   →  当期より排除(支払済.未払関係なし)
              (期首未成工事支出金は当期に組入)
                     ↑↓  相互に関連・連動
費用・収益対応の原則 ・・・ 収入・経費の対応を正しく理解

        ・必要経費  →  収入を得るために直接要した経費として捉える


以上、参考にしてください。